突然ですが、猫のラップが聞きたいです。
突如として、眩いスポットライトが飛び出した猫を照らし出す。
キャップを被り、金色の喜平ネックレス、白いオーバーサイズのパーカーを着た姿。
その名も "MCニャンコ" 。彼の声がステージに響き渡る。
「ニャンコは、ここだ!」と彼が鳴くと、会場は瞬時に静まり返る。
集まった観客は、MCニャンコの希有なるパフォーマンスに心躍らせている。
今夜も、彼の伝説的なリリックが響き渡る。ストリート生まれ、ヒップホップ育ちの、本物の猫ラップが始まるのだ。
ステージの端には "DJトラ" がサングラスをかけて、お馴染みの水色蝶ネクタイ姿がスポットライトに映し出される。彼がターンテーブルをいじりながら、MCニャンコに合図を送る。
重たいビートがスピーカーから鳴り響き始める。ショウの始まりだ。
「ここで登場、僕が音霊、飼い主の行動、猫が参上。
ルール違反の舞踏、トラが逃走、壁筒抜ける僕の鳴く音調。
(ドゥ~ン ドゥンドゥンドゥ~ン キュワキャキャキャッキュワキャ!)
飼い猫の問題、人間の世界は変わる、それでも大事な食事の時間!
冷たい世界を生き抜き! ネズミのおもちゃで息抜き!
どうだ、ニャンコの問題! そんなリアルな存在!
SAY HO!(HO!) SAY HO HO HO HO!」
DJトラのプレイも好調だ。オーディエンスの熱狂は恐ろしいほどだ。
ステージは、猫の生きざまとヒップホップの力強さが共鳴する場となり、観客はその力強いエネルギーに包まれていく。最後に、MCニャンコがマイクを掴み、熱い想いを込めて叫ぶ。「まだ、僕らの時代は始まったばかりだ!」と。
ヒップホップの魂を猫の身体で表現し、観客を震撼させた二匹の猫ラッパー、MCニャンコとDJトラ。その活動は、これからも続いていくだろう。
本物のヒップホップがここにあるのだ。